平成24年度クリニカルクラークシップ指導者養成講習会
- 平成25年1月11日(金)17:50-21:00 第3?第4会議室
- タスクフォース:赤池雅史(医療教育学分野、医学部教育支援センター、HBS研究部医療教育開発センター、徳島大学病院キャリア形成支援センター)、三笠洋明(医学部教育支援センター)、岩田貴(HBS研究部医療教育開発センター)
- 主 催:徳島大学医学部教育支援センター
- 共 催:徳島大学病院キャリア形成支援センター?大学病院連携型高度医療人養成推進事業「四国本州メディカルブリッジ高度医療人養成」、HBS研究部医療教育開発センター、徳島大学医学部FD委員会
卒前臨床実習における診療現場での指導のあり方を習得することを目的として、3つのワークショップと1つのミニレクチャーの構成で講習会を実施しました。この講習会は、生涯教育の観点から、初期臨床研修や専門医トレーニングでの指導にも繋がることを目的としています。臨床系分野から11名の参加があり、参加者によるポストアンケートでは、総合平均で4.45点(5点満点)のご評価をいただきました。
■WS1.「今,クリクラで問題と思うこと」
KJ法を用いて臨床実習の問題点について診療現場からの意見を議論した。 学生側の問題点としては「学習意欲が乏しい学生がいる」、「受身的な学生が多い」、「学習方法を知らない」、「院内PHS使用等、社会的マナーが悪い」、指導医側の問題としては「指導する余裕が無い」、「指導方法や指導の質に個人差が大きい」「一方的な説明や見学のみの指導」、教育環境?システムの問題としては「ローテーション期間が短い」、「教育に対する人員や予算の不足」、「教育に対して客観的に評価されない」等が挙げられた。
■ミニレクチャー「診療参加型臨床実習とは」
赤池雅史(医療教育学分野)
臨床実習の3つの段階、on-the- job-training、成人学習理論などの臨床実習教育の基本について解説を行い、さらに、徳島大学での臨床実習における学生の実習実績の現状や学生からの評価の分析結果について報告があった。特に「診療科全体としての指導体制が適切である」が学生による臨床実習満足度を規定しており、これは卒後研修においても共通する可能性が高いことが説明された。
■WS2.「診療現場での効果的指導法?5マイクロスキル実践」
高圧的?威圧的な指導、一方的に教えてしまう指導、5マイクロスキルを用いた指導の3つのパターンをロールプレイで経験し、さらに5マイクロスキルを用いて 実践的な指導方法の練習を行った。この指導方法は、卒後の臨床研修指導にも活用可能である。
■WS3.「効果的なクリクラとするには ~現場からの提案~」
学生が効果的に学ぶことができるクリニカルクラークシップとするための現場からの提案について、KJ法を用いて議論した。臨床実習開始前に、社会常識、心構え、指導医とのコミュニケーションの取り方などの教育が必要であること、ローテーション方法の見直し(選択制の積極的な導入)、指導法講習会の開催、教育業務に対する評価制度の確立と教員へのインセンティブの制度化等が提案された。